ロゼッタストーンとバームクーヘン




映画 けいおん!』よかったねええ。
ふつうの、
と言ったらアレなんですけれどもそうね、
アニメにとりあえずは偏見もってはいない、
けれど
期の始まりにあれこれ深夜アニメの第一話はチェックしてみる、
みたいな生活はしてないひと、
そういうおともだちと一緒に、
ジブリでも細田守でもなく、映画だけのオリジナルでなく、
TVシリーズからの映画化で、
しかもTVシリーズを追ってなくても単体としてストーリーが把握できて、
たとえもしつまらなくても、
そのつまらなさは、TV版を見ていないせい、でもないぜっていう、
そういう劇場版を、
みれたのも嬉しかった。うん。


しかも、
それがちゃんと劇場版でありつつ、かつ
まぎれもなく『けいおん!』で『けいおん!!』で、
しかもそれが自己言及てきに映画自体のテーマである、っていうか
あずにゃんに贈る歌をあれこれ模索する、
けいおん部(漢字で書くと軽音部)3年生たちのテーマであるっていうのがとっても面白くって、
映画み返すほどに
スタッフの皆さん、けいおん!らしさをどんだけ突き詰めたんだ!!
ってのがちょっと深読みしすぎかなあってくらい見えてきて、
何度も何度もはっとさせられるんだな。
けいおん!を映画にするにあたって、
ロンドン旅行のロケハンがあったそうなんだけれども、
山田尚子監督さんとか、
ロンドンで唯があずにゃんみながら歌詞かんがえながら
あずにゃんにゃんにゃん♪あずにゃんにゃん♪」ってフレーズが
アタマから離れなくなったように、
けいおんおんおん♪けいおんおん♪」
って脳内なってたかも、なーんても思っちゃう、
ある意味ドキュメンタリーですか?これ。
とか考えるとまた、
ロンドンから日本へ帰るための空港に向かうタクシーの中で3年生たちが確認した答え、と
映画そのものが重なって、また、胸がきゅんと鳴っちゃうよ。
押井守監督か神山健治監督かがどこかで言っていた(書いていた)ように、
または誰が言わなくても、
アニメーションにはつくろうとしたものしか映らない、
その世界には存在しない、
(しかもいちいちたいへんそうな手間をかけて!)
わけで
そう思うとなおさら、ひとつひとつの要素に意味を追わずにはいられないよ、
こちらとしましては、ってカンジです、はい。
あずにゃんにゃんにゃん♪・・・・・りさいくりんぐおんりー・・・・・でなくて」
て、
ロンドンの朝を散歩しながらゴミ箱(ていうか資源回収BOX*1)みて
唯が言うけどそれもね、
「でなくて」じゃなくって手掛かりだろうぜ、って言う。
ロンドン最終日の朝、
唯にあずにゃんが旅行中くりかえし見てた唯留年の悪夢w?を言いかけてやめるシーンもわざわざ、
ホテルアイビス(えっと、ロンドン市のまんなかにある?ほうじゃないほう)の合わせ鏡になってる、
エレベーターの中なんだもの、
深読みしちゃうぜ、っていうさ、
留年は無限地獄で小さくぐるぐる回ることなんだ、
怖すぎて澪だったら目を回しすぎるくらいのことなんだよな、
とかなんとか
このて話しを全部書いてたらめちゃめちゃながくなって終わらない、、、
くらいに『映画 けいおん!』はいっぱいいっぱい詰まっていたのであった、
あれね、
旅行前、音楽室(けいおん部室)のホワイトボードに唯が
鳥獣戯画からの発想で落書きしてたのだって、
やっぱりけいおん!映画化にあたって、
マンガってなんだろう、って
表現ってなんだろう、って
スタッフさんたちが考えた結果であろう、そこまで行くか!
って
冗談でなくて言ってしまうわ、
しかも鳥獣戯画落書きの下には謎のしりとりが書いてあったり〜w
それはあれでしょう、
表現とは繋がっていくものだと、
鳥獣戯画から映画 けいおん!へ、
または
デスデビルの楽曲「光」が下の世代へ送られ偶然でも何でも次にケイゾクしていくように。ええ〜?
ああ、でもほんと、
映画 けいおん!』はさ、
放課後ティータイムけいおん部全員で撮った写真に
目覚ましが鳴るまでの時計の音が被せられたところから始まるんだよね、
ああなんたる明確さ!
これから始まる映画について。
ってのけぞったのは何回目の鑑賞だったか。
そんなのふつうは忘れちゃうよ、つかまあ、
あたしは忘れてた、
でもきっとそれは無意識にもぐり込んでって
映画が終わっちゃうあたりの切ない気持ちに
とってもとっても作用していったに違いなく、
切ないと言えば夕暮れで、
ロンドン旅行最終日、HTTが演奏した屋外ステージも夕暮れで、
そこにはあるハプニングについて救世主のごとく現れたさわちゃんがいて、
唯たちはさわちゃんに見護られて演奏しながら客席の赤ちゃんみてて、
演奏してるのは「ごはんはおかず」でロックで
ロックというのもアメリカから来たりロンドンから来たりの、
あー何かが変わっても何かは伝わり、わたし前世はロンドン人、スカイハイ!だよほんとにね!!
(唯の叫ぶ「スカイハイ」てのがまた、
 「光」のさいごでVo.キャサリンの叫んでるやつのヒアリングミスらしいぜ、っていう*2
映画冒頭の
写真と時計の音、
それは映画に出てくる、
ロゼッタストーンとバームクーヘンのことでもある、と無理くりに、
ああ!もう!!言ってしまおー(そう言っちゃおう〜♪)っ
硬いものと流れてゆくもの、
カタチにして留めておこうとするもの、過ぎ去る時間、
バームクーヘンも固体物ですが
年輪を模した形状から、時間を見立てているとご理解ください、
いやあのね、
深夜アニメの『けいおん!!』は
日常系?
おもしろい物語りの中の登場人物に結果として萌えるならいくらでも萌えますが、
萌えるために萌えるアニメはちょっとなあ、、、
って偏見もって横目で見てたあたしは
出てくるお菓子がすっごくおいしそうでだんだんハマっていったという、
まるであずにゃんさんと等しいハマり方をしたんで*3
劇場版でどんなケーキが登場するのかと、
ベリーベリー期待してたんであったけど、
「ん?ばあむくーへん???
 いや、おいしいのは知ってるけど
 絵的には見た目地味でなくね???」とかさいしょ思ってしまたんであっったけど
その意味を思うとじっわじわキマしたわバームクーヘン。
紬が袋から出すことに手惑い、
律の一枚ずつ剥がして食べよぜうって提案は
澪に止められる中、
梓がハサミで取り出そうとするも
唯の仕込んでた冗談でそれは出来なかったりしたバームクーヘン。
これほどこの映画にあるためのお菓子ったらないでしょ。
そしてロゼッタストーン
これは映画がけいおん!初体験のひとにはあんまり記憶に残ってなさそうなアイテムですが、
大英博物館にみんなが本物を確認しに行って、
じゃなかった、本場もののレプリカを確認しに行って
卒業記念?登校日早朝教室ライヴのシーンで
わざわざオカルト部のふたりがダミーを持ってって応援してた?あれなんですけど
けいおん!!的には
(律ちゃん(演じるところのジュリ(エット(←文化祭の劇での)))の)
お墓の意味も込められた(w アイテムであったりもするのだな
あたしの中では
唯が買いこんできたお土産の、
お茶の山を目にした和ちゃんの10年ぐらいはありそうねっていう台詞と
このお墓とで
少女革命ウテナ』と『映画 けいおん!』とがココロの中でリンクをしたりもしつつ中での、
唯の、卒業式前日に憂に確認した、
「卒業してもみんなでお茶できるよね」ってのがキテね、もうこれも(泣
一見あたりまえな愚問なようでいて、
ほんとうのところはそうじゃないっよねってこと、
去年日本で生きてたみんなの多くが知っちゃったことなんだろう。。
うっかり過ごしてしまう日常の中に大切なたいせつなものがあり
ときどきの出逢いは実は奇跡
ツバサを求めるひとがやがて目にするのは天使かも知れない
だから歌うよ
カタチにするよ
ありがとう
ありのままに いつものように。
・・・
けいおん!世界は
日常生活のディテールが、制作会社京都アニメーションがある、
京都で取材した風景から作られているにもかかわらず、
「ごはんはおかず」でわたし関西人じゃありませんと歌われるように*4
あるいはまた
唯たちがなーんと京都に修学旅行に行っちゃうエピソードがあるようにそこは架空の場所なのであるけれども、
そいうった要素でもって、
映画 けいおん!』世界はなんだかとってもお彼岸めいた、
人が生まれる前にいる世界の匂いもしたんであった。
京都に、
一乗寺
けいぶん社に友だちと行ったとき
そこは夕暮れでいい感じの商店街で
わたし、生まれるまえに此処にいたの、と彼女は言ったんだった。そのとき。
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*1:「わたしの恋はホッチキス」の歌詞にも繋がってたり?

*2:なんて細かいネタ仕込みや〜

*3:等しくねえぞ

*4:よく知らないけど京都の人も「関西人じゃなくっわたしは京都人」って自ら言うものかも知んないけどそういう意味でもなく、