2004-10-13 『『ブレードランナー』論序説 映画学特別講義』 犬耳 捜査する者がいつのまにか捜査される者となる恐るべきメビウスの環の生成の有無が、フィルム・ノワールとその隣接(サブ)ジャンルとを峻別する最大の相違点である。 ・・・(加藤幹郎著/68頁) なにがフィルム・ノワールをフィルム・ノワールにするのか。 フィルムをノワールにするのか。 揺らぐからこそのノワール。 ギャング映画のギャングはギャングのまま、 刑事物語の刑事は刑事のまま、映画をまっとうする。 でもフィルム・ノワールの主人公は捜査するうち、 犯人の心の闇を追って、自分の闇と出会う。 そして、闇は病み。