明日から夏期休暇が始まるという日、
最後に教室を出ることになってしまった。
一緒にいた係り(日直?)の子に
施錠はしなくても良いの?と聞くと
むしろ「すべきではない」という返事。
下手にカギをかけるとせっかく此処に留まっている「もの」に
かえって勘づかれ(閉じこめられたと思って)
「もの」はカギを壊して出ていってしまう、とのこと。
ただし今日は此処を建てた匠による、
「もの」が通れない別の出口から出た方が良いから(なんでだ?)、と其方へ。
その通路は
足を使っても足を使っている感覚が無く、
前進してるつもりが
目の前でぴしゃっぴしゃっと
次々と襖が閉じられながら後退しているようにしか感じられないものだった。
・・・
外に出て
そんな何やら不吉そうな「もの」といままで生活してきたのかと思う。