ディスクを回す、戦争花嫁がたち現れる。
紙袋に入ってるんであれ
ビニールに包装されているんであれ
書籍、雑誌、ムック類に付録でござい、って按配で付いてるDVDの類のもの、
なべて取り出し憎いぬくいものであるけれども
『早稲田文学2』に付いてるこれもまたそうではあるのだけれども
これはそのもどかしい時間も楽しきかな、だって
皿にぺったり着席した二次元の川上未映子さんが静かに待ち構えてらっしゃるのだもの彼女はやがて
初見の画面に果たしてテキストの字幕を流すか流さないか、
その絶対ひとつのコースしかたどれない人生のキャプター選択を終えたあたしの目に
ずりっ、ずりっとパイプ椅子とおぼしき椅子の位置を調整し
ぐにっぐにっとマイクの位置と角度を調整する、
朗読者になる寸前の演者の姿として動き始めるのだろう、そして声。
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