パン!パン!って騒がずにぴょんぴょんって跳ねるんだぴょん!

15日は名古屋今池得三で、


John Zorn's Cobra 名古屋作戦今池部隊>
プロンプター:巻上公一


ギター:鬼怒無月
ドラム:植村昌弘
バンジョー・ヴァイオリン:藤原弘明
ギター:渓
ギター:臼井康浩
カシオトーン・エレクトロニクス:小野浩輝
ベース:石垣篤友
サックス・フルート・ピアノ:小野良子
トランペット:石渡岬
ヴォーカル・ピアノ:白木佐也加
ヴォーカル・ギター・その他全般:津山篤


みました、ききました、ちなみにジョン・ゾーンさんの出演はありません、でしたよ
出ないことはあらかじめ知ってましたけど。
"John Zorn's"とあるのは「Cobra」という曲の作曲者、という意味です。
曲というか、音楽システムというかゲームというか
作曲というか、考察というか、
そんなものです、それが「コブラ」、
そして百聞は一見に如かず、というか一見・一聴に如かずというか
いまの段階で未体験の方に説明することにかなり虚しさを感じつつちょこっと書いてみるとえっと、
まずプロンプターってひとがいて
この人があえていうと指揮者みたいな立ち位置にいて
テーブルに置いてある
(テーブルでなくても良いのかも知れない。えっとこのことは後で説明します)カード(20枚くらい?)を
とっかえひっかえ演奏者さんに見せて演奏の指示を出すわけです
んで、
その指示は、いつも演奏者全員に出されるわけでもなく(全員に対して、の場合もあります)
ひとりに対してとか数人に対して、とか。
演奏者は指示に従った演奏をするんですが
プロンプターがすべてをコントロールするわけでなくて
演奏者から「あれ出してよ」みたいなサインが送られて、
それがけっこう頻繁(なのは毎回か、というとそうでないかも知れない?)で
なんか魚市場のせりのような雰囲気♪
それでそのリクエストは採用されたり、されなかったりしてるはず。
サイン出すタイミングが被ったりもするからね
採用、不採用の条件は不明、
んでそのカードに書かれた指示というのは
そこでストップ、とか
フェードアウト、とか
ヴォリューム上げる、下げる、とか*1
あるときから組まれたりする、こっちの演奏組みとあっち組の演奏を入れ替えて、とか
いまのこのフレーズ覚えといて
(!覚えさせて後で演奏させるのです、楽器やらないものとしては難しそう!って思っちゃう)とか
そんなようなものがあった、はず、たぶん。
で、
さらにさらに、
演奏者さんはカード指示を無視できる"ゲリラ"って存在になれて
(プロンプターからの許可を得て?)
好き勝手に、ということはないか、自由に演奏出来るんだけど
たぶん、そのゲリラさんを他の演奏者さんはクビ(暗殺)出来るっぽい。
あいつ止めさせろってこっそりプロンプターに言え(サイン送れ)ば?
しかしゲリラさんの方もあっさり殺されるだけでなく、
暗殺者を見破ればクビの申出は却下、される(という場面だったのだろうなあ今回みたあれは?)
思い出しながら書いてるわけですが、
ゲリラさんはたいてい飽きたら、てことはないですかw、
ほどほどのところで自分でゲリラから足を洗ってたみたいですけど
独りがゲリラでありっぱなしな"演奏"もあり得るんだろーか、
ま問題が生じたらプロンプターがコントロールするんだろうけどもどうなんだろう、


とかなんとか、
はずとかたぶんとかだろうかとかどうなんだろうとか書いてますが、
これはあたしがググったりするのをサボりたくてサボってんじゃあなくて、
きほん、
コブラのルールは秘密なんだそうです
演奏に参加した人も口外しちゃいけない
し、ブログとかにも書いちゃいけない、らしいです。うむむ。
だから指示カードを置くのはテーブルの上、って
ジョン・ゾーンが指定してるのかどうかもあたしは知りようもないのでありました。
(他の方法・・・パソコンとかで管理してプロジェクターで写したり、とか?)
・・・
それであたしはすんごいピキーンと集中して
次はどうなるんだろう、この次はどうなるんだろう、それで、
ぜんたいでどうなってるんだろう、どう流れるんだろうって★おんがくを聴きながら★思って、


ん?!


って。はっとした。
音楽を聴き★ながら★、つまり、ただ"聴いてる"ことと、
その音が鳴らされている、全体の仕組みを見る(読む?)ことはぜんぜん別のことじゃね?とか
ぜんぜん別が言い過ぎならば
分離可能とかにしてもいいかしら、ともかく次の瞬間に思ったことは
音楽のことだけじゃなくっても、
うっかり仕組みのことを見抜いちゃって、それはいいんだけれども、
その仕組みのことだけが全てである、ってすっかり思っちゃって、
仕組みのことだけしか語れないことになっちゃってるケースつーもんが
かなり結構あんじゃねえのかしらん?っていうことだったよ、うん。




27日と28日は
シンポジウム「尾崎翠の新世紀―第七官界への招待」に参加?するため
東京まで行きましたよ*2
場所は日本近代文学館*3
28日午前の部で、
浜野佐知監督による映画『こほろぎ嬢』が観れたわけなんだけど
もしオリジナルとしてシナリオから作ろうとするならば、
絶対あり得ない展開っぷりにともかくしびれたの何の、
いやぁ
唯一無二の作品、こんな映画他には無いなー(同じことを繰り返して言ってますけど)
ゼロから作れるなら作った人はどんだけ狂人なんだよ、と。
それでこの映画の原作小説を書いた尾崎翠さんがアレっていうわけでもなく、
いや、当時ぜんぜん合法だったおクスリのなんやかんやはあったあもですがー、
この秘密は
「歩行」と「地下室アントンの一夜」と「こほろぎ嬢」っていう3つの短篇を
ひとつにまとめたからだったりしますがでも
3話のオムニバスというわけでもない。
「歩行」と「地下室アントンの一夜」は小説に出てくる登場人物がはっきりリンクしてて、
そこに「こほろぎ嬢」も足したのが(異論もありそうだけど)映画の解釈、


なんやそれー!とか叫ばれそうな気もするけどこれが、このあり得なさが、
前衛実験のための前衛実験でなくって
テーマとしてひとつの意味を持ってるんでした、
尾崎翠文学の解釈として受け止めていればこそ
わりと落ち着いた気分でいたりも出来てるわけですが、
これのむき出しみたいなものにいつか、遭遇しちゃいたいものだなー


とか思うて春。


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*1:このあたりは何の指令が飛んでるかは観客にもすぐに解る

*2:尾崎翠関連なうえ、だって、もお超豪華メンバー過ぎなんだもん、行かずにはいられなかったわけで。

*3:駒場東大前駅あたりからの雰囲気とか公園の桜とか素敵すぎでやした♪