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地獄があるとしたらここだし、天国があるとしたらそれもここだよ。ここがすべてだ。

川上未映子「ヘヴン」群像 2009年 08月号 [雑誌]101頁)





■title:残虐世界のぽかぽか:序
きのう、
数え間違えてなければ9回目の、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観に行った。
真希波さんバトルのアヴァンがあり、
タイトルがあり、
風の鳴る、砂丘のようなところでのゲンドウとシンジくんの、ユイ母さんのお墓参りがあり、
シンジを乗せてミサトさんの車が走り出すと蝉の声が聞こえてきて、
ああもう外の世界ではこれくらいには蝉、
鳴いてないよね、
劇場の中と外、蝉の音量が同じだった、シンクロの数日があって、
そんな夏、だったね。ことしは。
なんて思う。
エヴァの世界の蝉、についてちょっと友だちと話したこともあった。
エヴァの世界はずっと夏で蝉、冬がなくてだいじょうぶなの、とか。
ミサトさんのペットのペンペンは
どうも"温泉ペンギン"って突然変異種で、
加持さんに誘われての水族館、てか環境復元研究施設に入るさい、
滅菌やらする都合で
熱風やら寒風やらにさらされたとき
暑さになごみ寒さにパニックってたからまあ蝉も、
セカンドインパクト後の世界でどうにかたくましく生きてる蝉なんだろう。


まわりを何もない赤い海で取り囲まれた、
研究施設の枠内でどうにか復元された青い海を見下ろして
シンジくんは加持さんに潮の香りってちょっと変ですねみたいなことを言うと、
加持さんは
生き物が死んで腐った臭いなのさ、と答える。
セカンドインパクトを間近に体験し
お父さんに護られて生き延び、お父さんを失ったミサトさんのこともちょっと語って加持さんは
生きてくことがどういうことか、
シンジくんに伝えようとする。
ああ、これは、『ヱヴァ』は、やさしい話しなんだとおもう。


それは、もしかしたら、『エヴァ』のとき*1から目指されていたこと。

一日一歩 三日で三歩
三歩進んで 二歩さがる

星野哲郎:作詞 米山正夫:作曲「三百六十五歩のマーチ三百六十五歩のマーチ/真実一路のマーチ/ウォーキングマーチ


シンジくんと加持さんがそんな話しをしたのは食後のひとときの時間で、
そのちょっと前のお弁当時間、
なかなか遠足風にシートを研究施設の涼しげなところに広げて
シンジくんがつくってきたお弁当がみんなに大絶賛で、
でも綾波さんは手付かずで、それって、「お肉食べないなだけ」なのだから、というんで
アスカに
生き物は他の生き物食べて生きてるんだけだからありがたくきちんといただきなさい、
みたいな*2道理を言われる。
うん、それは道理。


そしてのち、
式波・アスカ・ラングレーを搭乗したエヴァ3号機が
使徒に侵食されてて*3
ネルフ本部を目指そうとするも、
戦闘拒否するシンジに変わってダミーシステムをはしらせたエヴァ初号機によって
生き物が生き物をむさぼり喰らうかのように内臓やら引き千切られてやられ、
アスカのエントリープラグもまた、
噛み砕かれるわけだけれども。


ごはんを食べる、という幸福と、それが何かの死と結びついているということ、
それはずっとあたしには、
ちゃんと考えられないんだけれどもどうしても、
ただそれって何だろう、とただ見てしまうことだった。


"この世の美しさと怖ろしさ、その互いの関係について"


ネルフ本部の地下深く、
セントラルドグマで磔にされている(?)リリスを求めてそれぞれの使徒たちは
地球での、種族としての存在権を、人類種との交替を、
渇望してどんなに防衛攻撃されても突き進もうとし
使徒リリス接触できると神さまみたくなれて(融合して?)サードインパクトを起こせて
生命環境を一変できる、みたいなこと?
(ゼーレの罠に引っ掛けられてるだけかもだけど))
目的に近付くと
生命以前の生命が、よろこびの姿を見せることもあるみたい、
宙から降ってきて変形した、あいつの背中側にづらっと並んぶ、目を持ったそれぞれが、
歓喜のダンスをするように。
邪魔をするエヴァたちにはATフィールドを拡げ、
邪悪な顔を見せるのだけれど。


そんな生存競争。
使徒が、
生存以前のなにやら神的な祖形っぽいものだったら<存在競争>と呼ぶべきもの、
とにかく、そんな闘い。


そんな闘いの現場に、身を置いちゃってる碇シンジくん。


エヴァ』ってそもそもどんなお話しだったのか。
お父さんから
離れて暮らして14歳になった男の子が
お父さんに呼ばれて会いに行ったらいきなし、
"きょだいろぼっと"みたいなもんに乗って戦えって言われて
その行為は人類を危機から護る、という意味があるのだけれども
男の子にしてみれば無茶苦茶な話しでしかないわけだし
とりあえず
乗らないとこれもいきなり出会ってしまった同年齢の負傷中の包帯少女が出撃するっていうんで
僕がやります、かなんか叫んで乗って戦って、
みたらなんか気絶しちゃったけど勝っちゃって、
ミサトさんからは立派なことをしたのよなんて言われるしで
なんかなりゆきそういうこと、になっちゃって、まあちょい抵抗もしてみたけれど
エヴァに乗るのは
お父さんのこともちょっと確認したい、だけなんだよねきっと。
確認、
自分が必要とされるのかどうか、
かつて捨てられそうになって自分から逃げ出したけど、
ホントのとこそこんとこどうなんか、って。


って、




うわ(更新してる)時間がない。












つづく!
■ending:もーしもーねがいひーとつだけ(略
■予告:「ヘヴン」、引用だけで川上未映子関係でいらした方ごめんなさい、
    「ヘヴン」についてももちっと触れます(中略)
    さあってじかいもさーびす(してるなんてとても言えないくさく書きますわ)
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*1:TVシリーズと、そのすぐあとの劇場版

*2:記憶だけで台詞を書いてるんで不正確であります

*3:冬月司令による「侵食タイプ(の使徒)か」的な台詞があるのだけれど劇場版ではそこんとこがちょっと判りづらくって、なんか3号機そのものが使徒だった?みたいに見えんこともない