結ぼれ、シンクロニシティ的な?

川上未映子さんの中篇小説「わたくし率 イン 歯ー、または世界」*1
"奥歯"という言葉が出てきて、
"蝶々"が出てきてそして、"雪"、雪国の、雪。
それ見てへええと感じてしまう私。

私は二階堂奥歯さんの『八本脚の蝶』[rakuten:book:11569532:image]という本が好きで、
何度読んでも好きで繰り返し読むのだけれど
この本のもとになった日記を書かれた奥歯さんは

(だからもとになった「現実」はあって
 そこにある痛みやら悲しみやら何やらを置いて
 本のこととして書かせてもらいますが)

「自分の意思に基づき」(411頁)亡くなられており、
死にたい死にたいと思う側にはいたはずなのに
生き残っちゃってる私には読みきれない地図なのではないか、
私の脳だか歯だかの中にある奥歯さんとは
死にはしない奥歯さんのことであってそれしか想像し切れてないわけであってだから私の『八本脚の蝶』はラストで破綻する虚構、
なのかも知れずしかしそれはあって永遠の謎かもしれない、つまり他者。

分かりきれない自分ではない人が自分の中にいて
そうした人としての奥歯さんに、

川上未映子さんの音楽活動(歌唱とか作詞作曲とか)として
未映子名義の『頭の中の世界と結婚』頭の中と世界の結婚というアルバムがあって、
一曲目「夜の果ての旅」、出だし、

告白します
僕は生きるのが好きで

これを聴いてまっさきに奥歯さんに
うわぁこんな歌が出てしまったけどどう?なんて話しかけてしまったのやった。

「告白します僕は生きるのが好きで」
これがつっかえ棒になってどうしようと思う。
つっかえ棒か、磁場混乱樹海の中でも使用可能な、磁石。

どうしましょう。

・・・
ところで。
悪名高い特集題名(ここには書いてやんない♪)の
ダ・ヴィンチ』の文化系女子特集号ダ・ヴィンチ 2006年 04月号
未映子さんのインタヴュー記事と
『八本脚の蝶』の書評が出てて一誌の中に入っており
未映子さんはしかも自意識が肥大しすぎて死ねないのが
文化系女子」などと発言されており
それを読んだのは未映子さんのアルバム聴く前で
きれいさっぱり忘れておったのだけれども
やっぱ無意識の中で結ぼれを結んでおったのやろかあたしの歯?