残虐世界のぽかぽか:A(Tフィールドのひらき方

■avantのavant
優しさを失わないでくれ。
弱い者をいたわり、互いに助け合い、
どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。
例えその気持ちが何百回裏切られようと。
それが私の最後の願いだ。
    ――ドキュメントTACにのこされたウルトラマンのひとりの言葉*1



■avant

そうか、それでわかりました。
あなたは児童文学を読んでいた子供だったんですね。
だから信じるんだ。

児童文学を読んでいた子供は信じています。何かを。
世界には恐怖や危険や悪や絶望があるけれども、大切なもの、愛おしいもの、美しいもの、かけがえのないものが必ずあるということを。
その大切なものを、勇気や知恵や友情や愛で守ろうと決心したことがきっとあるはずです。

私も信じています。
守ってみせるから。
何をかな? とりあえず「物語」と呼んでいますが。

二階堂奥歯 八本脚の蝶 2002年10月31日(木)
 http://homepage2.nifty.com/waterways/oquba/notes/oquba255.htmlより)
・・・
書籍版↓

八本脚の蝶

八本脚の蝶



■title:残虐世界のぽかぽか:A(Tフィールドのひらき方
・・・
たとえ何百かい、裏切られても。
・・・
エヴァンゲリオン』連作の中であたしの中でだいじなことはもうぜんぶ、『ヱヴァ破』にあって、
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の中にあって、
だからもう次、は、
お話しのなりゆきをただ楽しみにして、観て、楽しむだけだろう、
たぶん。
たとえ『Q』とその次で、どうんな終劇をむかえようとも。


たとえ、
たとえ総監督による(?)"梯子外し"がまたしても、あったとしても、


あたしの中でみさだめたものはもう変わらない。傷つかない。


やしやしゆかや
やしやしゆかや*2
・・・
ようするにまた、失敗したっていいんじゃね?
シンジ君だって人類だって、また補完し損ねたって良いんじゃね?
繰り返せばいいと思うよ、
何度でも 何度でも 何度でも 何度でも
何度でも 何度でも 何度でも 何度でも、
8回くらい、エンドレスエイトくらい、繰り返してもいいと思うよ、
損をしたって少し経験値は上がるんだし。


あたしの中で『エヴァ』連作はそういうお話しになった。
連作、
『破』までの渚カヲルくんの台詞の一々からしてもう、
エヴァ』はずっとずっと続いているんだし、


わたしも生き続けているんだし。


なにもかもがばかみたいにばかみたいなほどしあわせな結末に行き着くわけじゃない
何だっておこり得る、
天国だって地獄だって、あるとしたら此処にこそあるだけかもしんないヘヴン
でも
どうなるから、ならないから、どうすべき、でなくって、
やりたいだけ
やるしかないだけ
それの途中で、
ただ終わっちゃうだけかもしんない でも
「生き残るってことはいろんな意味を持つ*3」(by加持さん)わけで、
ネスサス、
それは受け継がれていく魂の絆。


こないだのお休みは、
いまはもうこの世にはいない、林由美香さん主演、
松江哲明監督『あんにょん由美香』みてきて、
とっても良かった、てか、
すんごく良かった、素晴らしかった、まじで。
由美香さんを語るために出てくる、
よいカンジでつぶれてるおっさんら(※1)の、キラキラっぷりがとても眩しいくらい。
由美香さんからなにかをきっとネクサスしたんだろう。


※1:女性ではひとり、
   いまおかしんじ監督『たまもの』*4で共演した華沢レモンさんも登場してます。


ちなみに[今日の皿]、
『あんにょん由美香』オリジナル・サウンド・トラック[SPR001]

『あんにょん由美香』オリジナル・サウンド・トラック[SPR001]

これもまた、はなはだしくヘビロテです。
詞とか曲とか川本真琴とかせつなくてせつなくって、沁みる♪
・・・
生き残る、って意味。


松江監督は『あんにょん由美香』を撮るために『東京の人妻 純子』を追いかけ猿を得なかったし、


真希波・マリ・イラストリアスちゃんは
アレした*5アスカに続いて、
エヴァンゲリオン弐号機しアスカとおんなじみたく「ひとりで」やろうとして、闘って、
んじゃあ、
真希波って、アスカが上げた経験値*6をスルーするものなの?
とかうっかり思ってあれれ?とか思いそうになったけども、
ああマリにゃん、
ちゃんと(?)綾波と共闘になっちゃってて、
でも熱く野獣化してるせいか、そこんとこを認識なんかせず独りで逝っちゃおうとしたわけだけども結局、
綾波につかまれて引きずりだされて、礼を言われるわけだ、
「ありがとう、弐号機の人」って。


生き残るって意味、繋がり、
綾波レイがだんだん言い慣れていく「ありがとう」、
それを生かしたお話しの構造、
ふり返ればうつくしくて、泣ける。ぽかぽか。


シンちゃんにお弁当わたされてうっかりはじめての言葉で返事して
あの人にも言ったことなかったのに、って途惑って、
お弁当箱洗いながら、洗ったあともずっと考えて、


アスカに伝言残すときはぎこちなく、しばし沈黙、発語までにちょい時間を要したけれども、
対マリに対してはすっと言えたわけで、これもまた、上がった経験値やね〜、
おおよしよし♪


ん、これって、
シンちゃんが社会見学のときみんなのためにお弁当作ってこなければこうはならなかったかもね、
このルートは通れたルートではなかったかもね、
レイはぎりぎりマリを助けるようには動けなかったかも。
(同時に、アスカが自ら※禁則事項デス※機に乗るための条件も生じているのやけれど)
で、
シンちゃんがお弁当つくるのは加持さんが社会見学に誘ったからで、
加持さんは基本もともと子どもたちに色々ネクサスしたい人なんだろうけども特に、
日本に来てから
セカンドインパクト前の生きものを子どもたちに見せようとか思ったのは、
伍号機の件で
大人の都合に子ども(マリ)を巻き込んで気が引けたせいかも知れないんでした、
おお、何でしょうか、この巡り合わせっぷり!
マリが
自分の目的のために大人を巻き込んだ行動だと、独りでは思ってたことなんだけれども
知らず、
人と人とを介していってまた、戻ってくる、
何でしょう、頑張った甲斐は、人によって報われる、ということでしょうか。


でもって、
何ていうか色々きれいでないことも大人、あるけれども、
いじらしいよね、人類、


第三新東京市の人々の日々の営み、
危機を前に身を寄せ合って、エゴも破壊も陰謀もあるけれど、それでもきっと、
歌のような何かじゃないのか、と。
・・・
経験値のことで言うと、冬月先生の経験値、
前の劇場版のときは
シンちゃんが人類補完の何やかやだったこと知ったら「まさか」みたいなカンジやったけども
『破』になったらば
シンちゃんと※禁則事項デス※でアレで「やはり」とか言ったりもあるんだけども、それとは別に、


使徒について何々タイプ、
侵食タイプだの、拒絶タイプだの言い出したのも何かあるのかしら、とか思うわけで、
使徒ってなんだか、
人類同士のディスコミュニケーションの業(ごう)をつきつけて迫ってくる存在になってる?
んで、
冬月先生は前んときは
「やはり最後の敵は同じ人間だったな」てさ、悟りきったかのようにおっしゃて、
あげくネルフ本部内で人間バーベQだったわけだけどさっ、


でもいいのホントにそれで?
シラカシラ、ご存知かしら?


もう今どき、
対立する人と人が分かり合えるなんてそうはあり得ない、それは揺るがないにしたって、
そうやってすかしてたって、何にも楽しいことないよ、
死体が増えるだけじゃんね、っていう。


高いところへのぼって
目を開いてあたりをみまわせば焼け野原に煙がのぼってんのが 分かるんだもん、
この次はぜひ冬月先生に、
人類にとって危険な敵が何であるか、
本当に戦うべきは何であるのか教えていただきたい。


庵野総監督がまたハシゴ外しちゃう可能性、なんて↑で書いてはみたけど
そうはならないんじゃないか、っていう気持ちのが大きいな、
でもいいんだけどね、
また裏切られても。
でもでも、
↑で引用してる二階堂奥歯さんの文章の、
「児童文学」のとこを「特撮作品」に読み換えて、
特撮をみていたいた子どもだって、
遠い昔、ウルトラマンの誰かと約束したひとりだよね、アンノさん♪って、


あたしは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の完成をただ、待っている。


■幕:キモチワルイハモウナシネ?











実を言うとぶっちゃけ参考資料↓
式日 [DVD]

式日 [DVD]

庵野秀明のフタリシバイ―孤掌鳴難

庵野秀明のフタリシバイ―孤掌鳴難

監督不行届 (Feelコミックス)

監督不行届 (Feelコミックス)



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*1:記録した地球人は市川森一さんであるらしい(^^;

*2:hint:http://d.hatena.ne.jp/dbpwriter/20090913

*3:でしたっけ?

*4:たまもの [DVD]

*5:アレしたけど結局アレしたわけでは※禁則事項デス※

*6:それはアスカのためのものだけども『エヴァ』のお話し的には教訓、みたいな?