いやまじで、の冒険



群像 2011年 09月号 [雑誌]

群像 2011年 09月号 [雑誌]

駅までの道を十分も歩いているとわたしのバッグはみるみるうちにティッシュや割引のちらしでいっぱいになった。

(34頁)


いや未映子さん、
あたらしい小説、
めちゃめちゃ笑かしてもらいました(^w^!!!


なーんてゆっちゃってるのは、はい、
あたしのココロが汚れきってしまっているせいやも知れず・・・てん、てん、てん。


いや、だけど!
未映子さんゼッタイ笑かしに入ってるぜ!って言いたい位に、
「うけけけ」ってウケまくりで「すべて真夜中の恋人たち」読んだわ、んでさ、
これ読んでくすり、ともしない方々もきっとかなりいらっしゃるのねーーーー
かなんか思えるのが余計に笑いのスパイスであってさ、ああ、もうたまりません、


なーんて書いてるあたしは
『ヘヴン』ヘヴンで、
「ひどいなコジマ!」
って思わなければ、てか、じゃなくて、
すくなくともコジマやって酷い、
そういう視点を持たなければその人は、
『ヘヴン』の面白さを半分も理解してないでしょう、って立場のものなわけで。


それと似たカンジでさ、
すべての恋愛にあまねく存在する、
ある種の限界っていうか貧しさっていうか、
っていうかまあとにかく、
主人公・ヒロイン、入江ちゃんのヘナチョコっぷりとか*1味わってない人は
この小説の半分しか味わえてないんじゃあないんでしょうかあ、
っていうね、






あ、"半分"。
真夜中が美しいのは世界が半分になるから。
なるほど。
「すべてが真夜中の恋人たち」の隠された半分こそ、
お昼の太陽光にさらされたお笑い部分か!
その半分が見えんくて、
残された光だけが光るからようやっと、
恋はうつくしいのね、う〜ん、
ロマンチックわはははは。


わたしはこの小説を全篇すんばらしいギャグで埋められた作品だと思い、
(本屋での「女の本」売り場シーンなんかもう、ステキにひどかったんですけどーーー♪)
(クライマックス前に入江ちゃんが施された化粧もさ、うん、
 ぜったい、あれ、どっかズレてるカンジに仕上がったちゃってる筈だあああwwwww)
もしこれが映画化されたなら、
場内爆笑の渦につつまれるに違いない、、、とか思うんデスけど
でもむつかしいよね観客の反応を予測するのも。
かの、
園子温監督の『冷たい熱帯魚性戯の達人 女体壺さぐり [DVD]だって、

画像まちがえた。こっちね→

冷たい熱帯魚 [Blu-ray]

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名古屋シネマテークで上映して、
ある回ではウケまくって騒がしく、
ある回ではシーンって場内凍りついてましたって、聞きましたわ。


んー、だからさ、
「それが何か」っていう印象も
たとえばお天気、たとえば体調で大きく変わっちゃうことだったりもするのかしらね、
でも
そういうふうに多義性があるってことが今描かれるべき、
現代にとっての何らかの意味を持つものであって、
それに比べたら
技巧を尽くして美しく仕上げられた恋愛小説、みたいなもんとかって
つまりはエンターテインメントなんじゃないやろか?って思うん。
いや、
素晴らしいことですけどねエンターテインメント。
人を文学的に酔わす上質の作品とかさー。
・・・
いやあーさあーぶっちゃけ、
「すべて真夜中の恋人たち」読む直前に、ていうか
話の終わり

話の終わり

↑を読んでる途中で、
未映子さんの方にチェンジした(ファンとして待ってたから(ミーハー?))わけで、
しかも今度のは"恋愛小説"らしいしどうなることかと、
ノレなかったらどうしようかと、
つい心配してしまうくらいに『話の終わり』は
恋愛を書くことについての解体っぷりが極北で、
読んだ人の恋愛小説観を一変させてしまう事はなはだしく、
そのコンセプトはシンプルに、
終わった恋愛を可能な限り正確に小説に書こうとしている主人公が書いてるもの、
という小説で(シンプルか?)
その徹底振りには厭でも
恋愛を書く、ということは
幾原邦彦監督『輪るピングドラム』の、
メス豚ストーカード変態女の脳味噌ド腐れゲロ豚ビッチ娘、
荻野目苹果ちゃんの妄想未来日記ならずとも
かくも
どうにもこうにも
酩酊っぷりを曝しちゃってるものなのよね〜ってコトを思わされ猿追えなくなってたわけで
だから危惧するところは果てしなくあったけど流石よながれいしよ川上未映子
あとジオンは3000年は戦える!級の、
「すべて真夜中の恋人たち」群像 2011年 09月号 [雑誌]を届けてくれましたよ、
やったね、ありがとうございましたあ(^O^)♪
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*1:恋のお相手の三束さんの隠された事情もなんか、、、あ〜やし〜ぞ〜〜〜w