池松江美『知恵熱』

オススメでございます


せつな(過ぎ)くて苦(々し)いあの頃−−
アドゥレッセンス黙示録、新たな青春小説の傑作がここに誕生致しました

 その女子校のある一角は神様に祝福されているかのように光にあふれ、ピンク色のガーリィな香気が漂っていた。通勤途中のサラリーマンなどは近くを通る時深呼吸して若い女性の湯気を吸い込み、一日の鋭気を養うのが習慣だった。芳香の正体は、顔にこびりついた歯磨き粉や、制汗剤のシトラスブーケがブレンドされたものだとしても、通学路を急ぐ少女たちのきめ細かい肌が放っているのは、まぎれもない若さの輝きで、ナマ脚、ナマ腕にそよぐ産毛の間から漏れる毛漏れ日があたりを柔らかく照らしていた。

(「知恵熱」、書き出しの文章から)
うつくしい、うざったくも邪悪にうつくしい−−、
吸い込んでんじゃねえリーマン(泣
・・・
オススメでございます
マリア様がみてる」とか読んでる男子はとくに必読、
胸ときめかせてくださいませ。
どきどきですわよ
心臓停止までイカレますよう、きひひ。
『知恵熱』読まずして今後「マリみて」について語ること禁止(めいれい。