引用ついで。

ぼくらは相変わらず金がなく、その日暮らしがつづいていた。だが、まったく予期せぬことに、ある日、ミュージシャンズ・ユニオンから三百二十五ポンドの小切手がドアから放り込まれた。ぼくはさっそくいちばんほしかったものを買いに行った。望遠鏡だ。自分がつねに望んでいることは現実になるのだという考えがわき、楽観的な考えにとりつかれて、ぼくはいよいよ元気になった。ぼくは元気になればなるほど、すべてのことにますます興味を持つようになる。生来の好奇心がかがり火のように燃え盛った。突然、空が手の届くものになり、同時に手の届かないほど美しく、有益なものに見えた。

ブラー ブリット・ポップと100万ポンドのシャンパンの日々 (p‐Vine BOOKS)

ブラー ブリット・ポップと100万ポンドのシャンパンの日々 (p‐Vine BOOKS)

(69頁)
美しいことが書いてあると思わない?*1

*1:しかもわたしの大好きな数字の頁。69。